本年2013年は言うまでもなく、南北戦争中の奴隷解放宣言が発行して150周年にあたる年であり、またエイブラハム・リンカーンの名を永遠に歴史に刻んだ「ゲティスバーグ演説」が行われてから150年の年でもあります。つまり本年こそは「リンカーンのメモリアル・イヤー」と称するにふさわしい年であり、それに伴って多くのリンカーンを記念する映画なども制作・公開されました。
本会はそれを記念し、「リンカーン祭」とし、丸一日かけてこれらリンカーンを描く最新映画を鑑賞する勉強会を企画しました。特に今春に公開されたスピルバーグ監督の『リンカーン』については、参加者一同が「すでに見ている」ことを前提とし、それぞれが気付いたこと、抱いた感想などを上映中に語り合う「コメンタリー鑑賞会」としたいと思います。
エイブラハム・リンカーンを語らない南北戦争史はありえず、リンカーンを語り合うことは、南北戦争を語ることへの最も近い道です。 正会員の皆様はふるってご参加ください。部外の方々もご参加になれます。
全日本南北戦争フォーラム「リンカーン祭」
日時:2013年9月15日(日) 10時~17時
場所:東京都江戸川区江戸川コミュニティ会館 集会室第2
東京都江戸川区江戸川2丁目8番地 都営地下鉄新宿線「瑞江」駅下車 徒歩15分 詳細アクセスは下記サイト参照
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/shisetsuguide/bunya/bunkachiiki/c_edogawa/index.html
参加費:正会員は会場使用料金を頭割り負担願います(500円前後を想定)、外部の方は無料
ご参加につき、事前の申し込み、予約などは不要です
会はお昼を挟みますが、昼食は参加者各自でご用意願います
第1部:映画『Saving Lincoln』上映会
監督:サルバドール・リトビャーク
脚本 :ニーナ・ダビドビッチ/サルバドール・リトビャーク
出演:トム・アマンデス/リー・ココ/ペネロープ・アン・ミラー
2013年/アメリカ映画/カラー/101分
エイブラハム・リンカーンが暗殺によってその生涯を閉じたことは、今さら言うまでもない常識ですが、その1865年4月15日以前にも、彼はたびたび誘拐や暗殺計画の標的にされていた人物でした。そうした危険からリンカーンを守るために奮闘していた人物の1人に、ウォード・ヒル・レーモンという男がいます。リンカーンがイリノイ州で弁護士をしていたころからの友人で、リンカーンの大統領時代は彼のボディーガードとして身辺の警護に務めました。そのレーモンとリンカーンの友情、そしてレーモンの活躍と、なぜフォード劇場の惨劇を防げなかったのかも含めて、まさに「Saving Lincol」のタイトルにふさわしい、重厚な歴史劇になっています。
第2部:映画『Killing Lincoln』上映会
製作総指揮:リドリー・スコット/トニー・スコット/エリック・ジェンドレセン
監督:エイドリアン・モート
出演者:トム・ハンクス/ビリー・キャンベル/ジェシー・ジョンソン
2013年/アメリカ映画/カラー/91分
リンカーン暗殺事件は、無頼漢による偶発的な事件ではありません。教養も地位もあった親南部派の人々によって綿密に組み立てられた、南部連合をもう一度再起させるための、連邦政府に対する綿密なテロ事件だったと言うべきで、その背景には多くの学ぶべきものがあります。本作は、その暗殺事件の中核だったジョン・ブースという人物に半ドキュメンタリーの手法で迫る一大歴史ドラマです。製作は『エイリアン』『ブレードランナー』などで知られる巨匠リドリー・スコット、ナビゲーターは名優トム・ハンクスと、まさにハリウッドが総力を挙げて追及する米国史の真相というおもむきがあります。
第3部:映画『Lincoln』、コメンタリー上映会
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン
製作:スティーブン・スピルバーグ/キャスリーン・ケネディ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ダニエル・デイ=ルイス/サリー・フィールド/トミー・リー・ジョーンズ
2012年/アメリカ映画/カラー/151分
南北戦争終戦直前の1865年初頭に、奴隷制の完全なる根絶を志して政界工作に挑むエイブラハム・リンカーンの姿を描いた本作は、まさに「南北戦争の映画」という枠を超えて、世界の映画史に永遠に刻まれる名作でした。南北戦争に少しでも関心を持つ者ならば、この映画を見なかったということはなかったはずであり、そしてさまざまな感想を抱いたことでしょう。本会ではこの映画を今一度参加者の方々と鑑賞しながら、時には画面を指差しながら、時には劇中で歌われる当時の音楽を実際に口ずさみながら、自由に語り合い、このリンカーンという巨人の実像にさらに迫ってみたいと思います。鑑賞中、すべてのご発言、パフォーマンスは自由です。語り足りない部分はさらに、懇親会で深めていきましょう。
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