2013年12月30日月曜日

12月31日、コミックマーケット85における会報頒布の最終ご案内

12月31日、東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット85」における本会会報第1号の頒布につき、最終のご案内をさせていただきます。

全日本南北戦争フォーラム 会報 Vol.2
2013年冬季号
特集「ゲティスバーグ&ビックスバーグ150周年」

―目次―
特集
1863年7月3日、愚将ロバート・E・リーの敗北
勝利への鍵――ビックスバーグ攻略戦概論
英国人と老兵のゲティスバーグ
ミシシッピ川の制河権とその流域文化
ジョン・ウェインの南北戦争――映画『騎兵隊』解題
ゲティスバーグ戦将星録
ビックスバーグ戦将星録

図書紹介

連載
南北戦争のマイノリティ:南北戦争と中国人(南軍編)
アメリカ政党略史:第1次政党制(2)
南北戦争の海軍:蒸気推進軍艦の時代
南北戦争と日本:グラント将軍の来日


 コミックマーケットにおける本会ブースは、

12月31日(火) 東地区 U-35a

になります。ご関心ある皆様方のご来訪をお待ちしております。
(事務局)

2013年12月21日土曜日

会報第2号の内容が決定しました

来る12月31日、東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット85」で頒布する予定の本会会報第2号の内容が決定いたしましたので、ここに告知いたします。

全日本南北戦争フォーラム 会報 Vol.2
2013年冬季号
特集「ゲティスバーグ&ビックスバーグ150周年」

―目次―
特集
1863年7月3日、愚将ロバート・E・リーの敗北
勝利への鍵――ビックスバーグ攻略戦概論
英国人と老兵のゲティスバーグ
ミシシッピ川の制河権とその流域文化
ジョン・ウェインの南北戦争――映画『騎兵隊』解題
ゲティスバーグ戦将星録
ビックスバーグ戦将星録

図書紹介

連載
南北戦争のマイノリティ:南北戦争と中国人(南軍編)
アメリカ政党略史:第1次政党制(2)
南北戦争の海軍:蒸気推進軍艦の時代
南北戦争と日本:グラント将軍の来日


(表紙画像:編集途上のものです)

なお、内容は予告なく変更される場合があります。
コミックマーケットにおける本会ブースは、

12月31日(火) 東地区 U-35a

になります。ご関心ある皆様方のご来訪をお待ちしております。
(事務局)

2013年11月3日日曜日

12/31の「コミックマーケット85」で会報第2号の頒布を行います

本会では2013年12月29~31日に東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット85」に参加し、同月発行の本会会報第2号を一般に向け頒布することを決定いたしました。
「コミックマーケット85」における本会の参加日程は、

12月31日 東地区U-35a

となります。
 会報は現在鋭意製作中ですが、本2013年が150周年にあたる、ゲティスバーグの戦い、およびビックスバーグの戦いを特集する内容となる予定です。
 会報の詳細な内容などは、決まり次第、本ブログにて告知していきます。
 会員各位におかれましては会報の編集制作、および「コミックマーケット85」当日の頒布につき何卒ご協力賜りたく、また全日本の南北戦争に関心を持つ方々にはぜひ「コミックマーケット85」に足を運びいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 なお、「コミックマーケット85」の開催概要は以下の通りです(外部サイト)。
http://www.comiket.co.jp/info-a/C85/C85info.html
(事務局)

2013年10月24日木曜日

11月9日、東京都江戸川区で今年度戦跡視察団帰朝報告会を行います。ゲティスバーグ古戦場の現在について報告予定

全日本南北戦争フォーラムは10月下旬、アメリカ・ペンシルバニア州ゲティスバーグに、本年度の戦跡視察団を派遣します。今年、2013年は、南北戦争の天王山とされることもあるゲティスバーグの戦いから150周年の年となり、現地ではさまざまな記念行事も行われています。視察団はその状況を実際に見聞してくる予定で、その帰朝報告会を以下の日程で行いたいと思っております。

全日本南北戦争フォーラム・本年度戦跡視察団帰朝報告会
「150年目のゲティスバーグ古戦場を語る」
日時:2013年11月9日 14時00分~
場所:東京都江戸川区 篠崎文化プラザ 第1講義室
東京都江戸川区篠崎町7-20-19 都営地下鉄新宿線篠崎駅直結 詳細は下記サイト
http://www.shinozaki-bunkaplaza.com/
参加費:正会員は会場使用料金を頭割り負担願います(500円前後を想定)、外部の方は無料
ご参加につき、事前の申し込み、予約などは不要です

視察団員による現地の写真や資料の紹介、実際の見聞に基づく歴史談義、また出席者との質疑応答、現地土産の配布など、まさにゲティスバーグの話題にふさわしく、「南北野郎の、南北野郎による、南北野郎のための歓談の場」にできればと思っております。
ご関心ある方の来場をお待ちしております。
(事務局)

2013年8月23日金曜日

9月15日に東京都で「リンカーン祭」を開催します

 本年2013年は言うまでもなく、南北戦争中の奴隷解放宣言が発行して150周年にあたる年であり、またエイブラハム・リンカーンの名を永遠に歴史に刻んだ「ゲティスバーグ演説」が行われてから150年の年でもあります。つまり本年こそは「リンカーンのメモリアル・イヤー」と称するにふさわしい年であり、それに伴って多くのリンカーンを記念する映画なども制作・公開されました。
 本会はそれを記念し、「リンカーン祭」とし、丸一日かけてこれらリンカーンを描く最新映画を鑑賞する勉強会を企画しました。特に今春に公開されたスピルバーグ監督の『リンカーン』については、参加者一同が「すでに見ている」ことを前提とし、それぞれが気付いたこと、抱いた感想などを上映中に語り合う「コメンタリー鑑賞会」としたいと思います。
 エイブラハム・リンカーンを語らない南北戦争史はありえず、リンカーンを語り合うことは、南北戦争を語ることへの最も近い道です。 正会員の皆様はふるってご参加ください。部外の方々もご参加になれます。

全日本南北戦争フォーラム「リンカーン祭」
日時:2013年9月15日(日) 10時~17時
場所:東京都江戸川区江戸川コミュニティ会館 集会室第2
東京都江戸川区江戸川2丁目8番地 都営地下鉄新宿線「瑞江」駅下車 徒歩15分 詳細アクセスは下記サイト参照
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/shisetsuguide/bunya/bunkachiiki/c_edogawa/index.html
参加費:正会員は会場使用料金を頭割り負担願います(500円前後を想定)、外部の方は無料
ご参加につき、事前の申し込み、予約などは不要です
会はお昼を挟みますが、昼食は参加者各自でご用意願います

第1部:映画『Saving Lincoln』上映会
監督:サルバドール・リトビャーク
脚本 :ニーナ・ダビドビッチ/サルバドール・リトビャーク
出演:トム・アマンデス/リー・ココ/ペネロープ・アン・ミラー
2013年/アメリカ映画/カラー/101分

エイブラハム・リンカーンが暗殺によってその生涯を閉じたことは、今さら言うまでもない常識ですが、その1865年4月15日以前にも、彼はたびたび誘拐や暗殺計画の標的にされていた人物でした。そうした危険からリンカーンを守るために奮闘していた人物の1人に、ウォード・ヒル・レーモンという男がいます。リンカーンがイリノイ州で弁護士をしていたころからの友人で、リンカーンの大統領時代は彼のボディーガードとして身辺の警護に務めました。そのレーモンとリンカーンの友情、そしてレーモンの活躍と、なぜフォード劇場の惨劇を防げなかったのかも含めて、まさに「Saving Lincol」のタイトルにふさわしい、重厚な歴史劇になっています。

第2部:映画『Killing Lincoln』上映会
製作総指揮:リドリー・スコット/トニー・スコット/エリック・ジェンドレセン
監督:エイドリアン・モート
出演者:トム・ハンクス/ビリー・キャンベル/ジェシー・ジョンソン
2013年/アメリカ映画/カラー/91分

リンカーン暗殺事件は、無頼漢による偶発的な事件ではありません。教養も地位もあった親南部派の人々によって綿密に組み立てられた、南部連合をもう一度再起させるための、連邦政府に対する綿密なテロ事件だったと言うべきで、その背景には多くの学ぶべきものがあります。本作は、その暗殺事件の中核だったジョン・ブースという人物に半ドキュメンタリーの手法で迫る一大歴史ドラマです。製作は『エイリアン』『ブレードランナー』などで知られる巨匠リドリー・スコット、ナビゲーターは名優トム・ハンクスと、まさにハリウッドが総力を挙げて追及する米国史の真相というおもむきがあります。

第3部:映画『Lincoln』、コメンタリー上映会
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン
製作:スティーブン・スピルバーグ/キャスリーン・ケネディ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ダニエル・デイ=ルイス/サリー・フィールド/トミー・リー・ジョーンズ
2012年/アメリカ映画/カラー/151分

南北戦争終戦直前の1865年初頭に、奴隷制の完全なる根絶を志して政界工作に挑むエイブラハム・リンカーンの姿を描いた本作は、まさに「南北戦争の映画」という枠を超えて、世界の映画史に永遠に刻まれる名作でした。南北戦争に少しでも関心を持つ者ならば、この映画を見なかったということはなかったはずであり、そしてさまざまな感想を抱いたことでしょう。本会ではこの映画を今一度参加者の方々と鑑賞しながら、時には画面を指差しながら、時には劇中で歌われる当時の音楽を実際に口ずさみながら、自由に語り合い、このリンカーンという巨人の実像にさらに迫ってみたいと思います。鑑賞中、すべてのご発言、パフォーマンスは自由です。語り足りない部分はさらに、懇親会で深めていきましょう。

2013年8月10日土曜日

8月11日、コミックマーケット84における会報頒布の最終ご案内

8月11日、東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット84」における本会会報第1号の頒布につき、最終のご案内をさせていただきます。


全日本南北戦争フォーラム 会報 Vol.1
2013年夏季号 特集「奴隷解放宣言」
頒布価格:500円
―目次―
特集
奴隷解放から150年
南北戦争開戦から1863年1月1日まで
映画『ジャンゴ』と『リンカーン』から見えてくるもの
暗黒の船倉――奴隷貿易船の航海
アガシ――南部奴隷制は「差別」だったのか
奴隷解放宣言をめぐる人々

連載
南北戦争のマイノリティ:南北戦争と中国人
連載・アメリカ政党略史:第1次政党制

図書紹介
活動報告:マナサス、フレデリックスバーグ訪問記
(表紙画像)
 










 コミックマーケットにおける本会ブースは、


8月11日(日) 東地区 ピの34A

になります。ご関心ある皆様方のご来訪をお待ちしております。

2013年8月3日土曜日

会報第1号の内容が決定しました

来る8月11日、東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット84」で頒布する予定の本会会報第1号の内容が決定いたしましたので、ここに告知いたします。

全日本南北戦争フォーラム 会報 Vol.1
2013年夏季号
特集「奴隷解放宣言」

―目次―
特集
奴隷解放から150年
南北戦争開戦から1863年1月1日まで
映画『ジャンゴ』と『リンカーン』から見えてくるもの
暗黒の船倉――奴隷貿易船の航海
アガシ――南部奴隷制は「差別」だったのか
奴隷解放宣言をめぐる人々

連載
南北戦争のマイノリティ:南北戦争と中国人
連載・アメリカ政党略史:第1次政党制

図書紹介
活動報告:マナサス、フレデリックスバーグ訪問記
(表紙画像:編集途上のものです)
 










なお、内容は予告なく変更される場合があります。
コミックマーケットにおける本会ブースは、

8月11日(日) 東地区 ピの34A

になります。ご関心ある皆様方のご来訪をお待ちしております。
(事務局)

2013年6月15日土曜日

6月30日、東京都江戸川区で「ビックスバーグ陥落150周年記念大会」を行います

2013年6月30日(日)、全日本南北戦争フォーラムの「ビックスバーグ陥落150周年記念大会」を下記の日程で行います。
正会員の皆様はふるってご参加ください。
部外の方々もご参加になれます。

全日本南北戦争フォーラム「ビックスバーグ陥落150周年記念大会」
日時:2013年6月30日 13時~17時
場所:東京都江戸川区立西葛西図書館 会議室第1
東京都江戸川区西葛西5-10-47 東京メトロ東西線「西葛西駅」下車、徒歩5分 詳細アクセスは下記サイト参照
https://www.library.city.edogawa.tokyo.jp/toshow/introduction/html/nishikasai.html
参加費:正会員は会場使用料金を頭割り負担願います(500円前後を想定)、外部の方は無料
ご参加につき、事前の申し込み、予約などは不要です

〈内容〉
第1部:映画『騎兵隊』上映会
監督:ジョン・フォード脚本 :マーティン・ラッキン /ジョン・リー・メイン
原作 :ハロルド・シクレア
製作 :マーティン・ラッキン /ジョン・リー・メイン
出演:ジョン・ウェイン/ウィリアム・ホールデン/コンスタンス・タワーズ
カラー/上映時間119分

映画『騎兵隊』は、アメリカ映画史に残る名匠・名優として知られるジョン・フォードとジョン・ウェインの黄金コンビによってつくられた、戦争映画の傑作とされる作品です。アクションあり、笑いあり、涙ありの、模範的なまでに手堅い「古きよきアメリカ映画」ですが、ビックスバーグ包囲戦の最中に行われた、ニュートンズ・ステーションの戦いという、実際にあった戦闘を描いた物語です。ジョン・ウェインふんする北軍の騎兵隊長、マーロー大佐は、実在の北軍騎兵隊長、ベンジャミン・グリアーソン大佐で、彼はビックスバーグ包囲戦の指揮を取るグラント将軍の命で、「グリアーソン・レイド」と呼ばれる敵補給線への襲撃を繰り返した人物でした。この『騎兵隊』の筋も、北軍騎兵隊による南軍補給線の妨害という、まさに歴史そのものの再現です。ゲティスバーグの陰に隠れ、あまり大きく取り上げられることのないビックスバーグ戦ですが、この機会にこの名匠・名優の逸品を鑑賞し、西部戦線の歴史的意義について考えてみたいと思います。

第2部:自由討議「ビックスバーグ陥落と西部戦線の意義」
南北戦争というと、どうしてもワシントン―リッチモンド間における東部戦線の話題のみがクローズアップされます。1863年7月の話題も、まずゲティスバーグがさらっていきます。しかし南北戦争の戦略的意義は、むしろ西部戦線にこそあったとさえされています。今回の機会に会員相互の自由な議論を通じ、西部戦線の意義について考えてみたいと思います。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。
問い合わせは本記事のコメントか、事務局のメール(uhh04659@nifty.com)までお気軽にお寄せください。

2013年6月1日土曜日

8/11の「コミックマーケット84」で会報の頒布を行います


 本会では2013年8月10~12日に東京・有明の東京国際展示場で開催される「コミックマーケット84」に参加し、同月発行の本会会報創刊号を一般に向け頒布することを決定いたしました。
「コミックマーケット84」における本会の参加日程は、

8月11日(日) 東地区 ピの34A

となります。
 会報は現在鋭意製作中ですが、本2013年にて発布150周年を迎える奴隷解放宣言を特集する内容となる予定です。
 会報の詳細な内容などは、決まり次第、本ブログにて告知していきます。
 会員各位におかれましては会報の編集制作、および「コミックマーケット84」当日の頒布につき何卒ご協力賜りたく、また全日本の南北戦争に関心を持つ方々にはぜひ「コミックマーケット84」に足を運びいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 なお、「コミックマーケット84」の開催概要は以下の通りです(外部サイト)。
http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/C84info.html
(事務局)

2013年5月2日木曜日

映画『リンカーン』を見る前にチェックしておきたい、主要登場人物プロフィール一覧

 現在、本邦の劇場でスピルバーグ監督の映画『リンカーン』が絶賛公開中です。南北戦争150周年期間の中で発表された、歴史に残るべき名作ですが、日本の観客の多くにとっては歴史的な解説がなさすぎ、ストーリーや登場人物の背景がよく分からず、映画全体の雰囲気をつかみにくいきらいがあるのではないかとも心配される作品です。
 そこで本作を猛プッシュする立場として、日本の一般的観客の皆さんを対象に想定した、主要登場人物たちの簡単なプロフィール集をつくってみました。映画鑑賞前の予習に活用していただければ幸いです。なお、本作の歴史的背景については、本会事務局長が自身のtwitterで長々とつぶやいたものを、同じtwitterユーザーの「ぴろき@AmericanCivilWar」さん(https://twitter.com/piroki_wod)が以下のようにまとめてくれています。あわせてご参考になれば幸いです。
http://togetter.com/li/495761

 映画『リンカーン』、主要登場人物プロフィール一覧

(リンカーンとその家族)





エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln, 1809-1865)
演:ダニエル・デイ=ルイス

 正直者エイブ(Honest Abe)、父なるエイブラハム(Father Abraham)、偉大なる解放者(the Great Emancipator)。人類史の太陽にして、最も偉大なアメリカ大統領。
 ケンタッキー州の貧農の家に生まれ、さまざまな職業に従事しながら独学で弁護士の資格を取得。長じて移住したイリノイ州で名望家として頭角を現し、1834年に州議会議員。1846年に共和党の前身・ホイッグ党から立候補して合衆国下院議員となる。当時のポーク大統領の推進した米墨戦争に反対し、下院議員は1期務めるのみで再びイリノイの弁護士に戻る。しかし当時すでにアメリカを代表する名演説家として知られており、奴隷制をめぐって生じた北部、南部の対立にともなって開かれていたさまざまな演説会に、共和党、つまり奴隷制反対派の論客として登壇。共和党にリンカーンありの名声を獲得していく。
 リンカーンは奴隷制度に明確に反対していたが、幼少期を奴隷州ケンタッキーで過ごしたことや、若き日に南部で仕事をしていた経験などから、奴隷制は善悪を越えて南部の社会基盤になっていることも熟知していた。そのため、南部側の都合も考えず「奴隷制即時廃止」を訴える共和党急進派とは折り合いが悪かった。しかし1860年の大統領選挙ではその姿勢が幸いし、あからさまに南部の民主党勢力と正面衝突する事態を恐れた共和党多数派によって、一種まつりあげられるような形で出馬し当選。16代アメリカ合衆国大統領に就任する。共和党議員団らは当初、そのように選出された経緯や、貧しい出自、また学歴がないことなどを理由にリンカーンを馬鹿にする者がほとんどだったが、その実力と人柄で次々と周囲を取り込んでいく。
 南北戦争開戦後は、高級軍人たちも当初リンカーンを馬鹿にしていたため、軍が大統領命令を露骨に無視するなどの事態が発生して戦争指導に支障をきたすものの、自身に忠実な軍司令官グラント将軍を得てからは戦争を有利に進め、南部奴隷州の勢力を打ち倒した。
 リンカーンは貧しい出自からはい上がってきた者として、公平で親しみやすい人柄の、平等博愛主義者だった。しかし貧困からはい上がってきた者であるゆえに、夢想的な観念論に踊らされることはなく、常にリアリストを貫いた。彼が奴隷制に反対しながらも、共和党急進派と最後まで距離を置いたのはそのためである。リンカーンの周囲にいた親しい知人たちは、最初リンカーンの出自などを馬鹿にしながらも、最後は無類の「リンカーン・ファン」になる者がほとんどだった。しかし実際に近しく付き合わなかった同時代人の中には、最後までリンカーンを馬鹿にし、軽蔑する傾向があったのも事実である。リンカーンを暗殺したジョン・ブースもまた、暗殺事件を起こした動機として「リンカーンの身分が卑しいこと」を挙げていた。


メアリー・トッド・リンカーン(Mary Todd Lincoln, 1818-1882)
演:サリー・フィールド

 人類史を代表する悪妻、リンカーン大統領の妻。
 ケンタッキー州の富裕階級に生まれる。生家は奴隷所有者でもあった。派手好きで野心家、高圧的と、夫であるリンカーンとはほとんど真反対の性格だった。リンカーンとの間には4人の男児があったが、1862年に三男のウィリーが病死すると精神を病み、少しでも気に入らないことがあると家族やホワイトハウスのスタッフに怒鳴り散らすなど、ますます扱いにくい人物となっていく。1865年のリンカーン暗殺、また1871年の四男タッドの死などにより、その精神疾患はさらに重いものとなり、晩年は鬱病状態だった。
 多くの歴史家に「リンカーンの人生をむしばんだ悪妻」と批判される彼女だが、それでも彼女がその野心で夫を後押しし、また生まれ持った教養で支えなければ、リンカーンが大統領まで上り詰められたかどうかは疑問だとする声もある。


ロバート・トッド・リンカーン(Robert Todd Lincoln, 1843-1926)
演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット

 エイブラハム・リンカーンの長男。
 ロバートの青少年期、父リンカーンはイリノイ州の巡回裁判所判事をしていて、日々イリノイの僻地へ馬車を走らせ、住民間紛争の解決などにたずさわっていた。よって、この父子の間は必然的に疎遠となり、絆もそう深いものではなかったと伝えられている。ただリンカーンはロバートの才能を高く買っていたようで、「彼はいずれ、私をも越える政治家になる」と語っていた。ロバートは父と同じ法曹家になるためハーバード大学に進学。ただ同時期に勃発した南北戦争に従軍するため大学は中退している。軍では北軍の総司令官グラント将軍の副官となり、戦場での戦闘経験はほぼない。戦後はシカゴに移り住み、シカゴ大学で学んで弁護士資格を取得。弁護士業を営んでいたが、1881~85年まで、ガーフィールド、アーサー両大統領の政権下で陸軍長官を務めた。1889~1893年まで駐英公使。


タッド・リンカーン(Thomas "Tad" Lincoln, 1853-1871)
演:ガリバー・マクグラス

 リンカーンの四男。ホワイトハウスの王子。
 父リンカーンの大統領就任に伴ってホワイトハウスに引っ越したときのタッドは、まだ弱冠8歳だった。3つ歳上の兄ウィリーとホワイトハウスを遊び場のように暴れ周り、周囲を困らせていたタッド。しかし1862年、ウィリーとタッドはチフスにかかる。ウィリーはそのまま死去。タッドは奇跡的に回復する。その後、リンカーンとメアリーの両親は、タッドを溺愛するようになり、ホワイトハウスでの無作法もまったく叱らなくなった。父親の暗殺後、母親とともにシカゴへ移住。しかし1871年に結核で死去。その死は母メアリーの不安定だった精神状態をさらに追い込んでいく。

(ホワイトハウスの閣僚たち)



ウィリアム・シーワード(William Henry Seward, 1801-1872)
演:デビッド・ストラザーン

 高貴なる法(Higher Law)、アメリカ合衆国国務長官。
 ニューヨーク州出身で同州知事および同州選出上院議員を経験する。共和党員にして過激な奴隷解放論者で、「奴隷制は憲法で許可されているだと? この世には憲法より高貴な法(Higher Law)が存在し、それが奴隷制を禁じているのだ」と言い放ち、「高貴なる法」の仇名で呼ばれるようになる。優秀な法律家にして行政マンであったが、自分の才能を過信し過ぎ、しばしば高慢で人を馬鹿にする態度を取ったため敵が多かった。1860年の大統領選に出馬する意欲を燃やしていたが、そうした性格も災いし、完全に馬鹿にして下に見ていた「田舎弁護士」のリンカーンに大統領の座を譲ることになる。
 リンカーン政権では重要ポストである国務長官に就任。当初はリンカーンを傀儡にして、自分が実質的な大統領として振舞おうと画策するが、やがてリンカーンの高潔な人柄に打たれ、彼の忠実な女房役として政権を支える。ただしその他の人々に対する高慢さは治らず、南北戦争開戦当初、南部連合に融和的な態度を取っていたイギリスに怒って独断で宣戦布告をしようとしたり、戦争の中で拡充する合衆国陸軍の力を使ってカナダ侵攻を企てるなど、超タカ派的外交政策を志向しつづける。リンカーンはその尻拭いに奔走してまわることになる。
 リンカーン暗殺事件発生時は、彼も暴漢に襲われて重傷を負う。何とか一命は取りとめ、後継のアンドリュー・ジョンソン政権でも国務長官に。同政権下ではロシアからアラスカを購入し、ドミニカやパナマの侵略を考えるなど、引き続き膨張的外交政策を取り続けた。


エドウィン・スタントン(Edwin McMasters Stanton, 1814-1869)
演:ブルース・マクギル

 雷鳴の軍神(Thunder forth, God of War)、アメリカ合衆国陸軍長官。
 オハイオ州出身の弁護士。非常に優秀な法曹家として知られており、アメリカの司法の歴史において初めて、「依頼人たる被告に精神異常があることをもってその罪を無罪とする」内容の勝訴判決を勝ち取った弁護士。
 奴隷制度には反対の立場だったが、所属していた政党は奴隷制および南部奴隷州にに融和的な民主党だった。南北戦争勃発直前の1860年には、民主党所属のブキャナン大統領の下で司法長官に任命されている。
 共和党のリンカーン政権には当初批判的だったが、その優秀さを買われて陸軍長官キャメロンの法律顧問就任を要請される。スタントンはこれを「国難に当たって党派を超えて協力する」として承諾。南北戦争開戦前まで非常に小規模で、何の力も持っていなかった陸軍省の組織整備に大活躍する。リンカーンのことは粗野な田舎者として嫌っており、「リンカーンは本物のゴリラだ。イリノイ州に行けばすぐに見られるものを、なぜ人はわざわざアフリカまで探しに行くのか」などといって馬鹿にしていた。しかしリンカーンの側で仕事をするうち、そ高潔な人柄に打たれて彼の忠実な右腕に。直属上司のキャメロンが汚職を追及されて陸軍長官を辞した後は、自ら陸軍長官に就任。「リンカーンの軍神」とまで呼ばれる活躍をする。
 リンカーン暗殺事件直後から、残された閣僚を統括して犯人逮捕に尽力。本当に犯人かも怪しい民間人たちを、あらかじめ筋書きを用意した茶番の軍法会議で裁いて絞首刑台に送った。その様子はロバート・レッドフォード監督の映画『声をかくす人』に詳しい。その後も長く、リンカーンの名を思い出しては男泣きに泣いたという。

ウィリアム・ビルボ(William N. Bilbo, 1815-1867)
演:ジェームズ・スペイダー

 ロビイスト。
 南部奴隷州であるテネシー出身の政治活動家。1864年まで民主党寄りの活動家として南部で生計を立てていたが、突然北部へ移住。当初南部のスパイと疑われて投獄されていたが、シーワード国務長官にその政治活動家としての経歴や、南部および民主党に顔がきく存在として見込まれ、恩赦で出獄。「シーワード・ロビー」と呼ばれる、共和党の政界工作チームの一員として活動した。

(合衆国議会の政治家たち)


タデウス・スティーブンス(Thaddeus Stevens, 1792-1868)
演:トミー・リー・ジョーンズ

 アメリカのロベスピエール、豚よりもやっかいな男、共和党下院議員。
 バーモント州出身。後にペンシルバニア州へ移って弁護士となり、反フリーメイソンや無料公教育推進などの社会運動に没入。そうした流れで、アメリカ史の中でもかなり早い段階から黒人差別反対、奴隷制撤廃の運動家として活躍していく。1849年から下院議員。反奴隷制を綱領の1つとする共和党を1854年に立ち上げた、創立メンバーの1人である。弁舌の冴え、頭の回転の速さはアメリカ随一とうたわれ、ライバルたちは賞賛の意を込めて「豚よりもやっかいな男」と呼んだ。スティーブンスめざした「白人・黒人の完全平等社会」は、同僚の共和党員たちからもあまり理解されなかった、当時としては急進的な意見だった。彼はそんな中で、自分の理想を貫くために他のすべてを犠牲にし、生涯結婚せず、身なりなどにもまったく気を遣わなかった。そういう生活を続けながら政敵と過激な討論に明け暮れる彼の姿を見て、当時フランスの新聞のアメリカ特派員としてワシントンにいた後のフランス首相、ジョルジュ・クレマンソーは、スティーブンスを「アメリカのロベスピエール」と呼んだ。
 南北戦争が始まるや、彼は南部奴隷州の存在が排除された議会において、奴隷制の支える南部諸州の完全壊滅のため精力的な活動を始めるが、それはやはり当時としては、性急に過ぎて多くの賛同者を集めることはできなかった。自身から見れば「妥協派」でしかないリンカーンが、アメリカ最大の国難を前に奮闘する姿を見て、スティーブンスは態度を軟化させる。「われわれは天使の間ではなく、人間の間で生きている」とし、あえて妥協的な共和党多数派の諸法案に賛成票を入れ始めるのである。ただしリンカーン暗殺後に政権を引き継いだアンドリュー・ジョンソン大統領の、あまりに親南部的な政策には激怒しており、何度も大統領弾劾に向けて動いている。しかし1868年、現職議員のまま死去。遺体は「生前の意志をはっきり示すため」、当時のアメリカでは非常に少なかった、白人、黒人の共同墓地に埋葬された。


ジェームズ・アシュレー(James Mitchell Ashley, 1824-1896)
演:デビッド・コスタビル

 憲法修正13条の提出者、共和党下院議員。
 ペンシルバニア州出身。一族にも政治家がいるなど名族の出だったが、彼は船員や新聞記者などさまざまな仕事を経験しながら、移り住んだオハイオ州で独自の地盤を形成し、下院議員に当選した。新聞記者をする中で奴隷解放思想に目覚め、1859年に奴隷解放のための武装蜂起を企てたジョン・ブラウンの支持者でもあった。合衆国憲法の規定として奴隷制を禁止すべく、南北戦争終戦直前の下院で憲法修正13条の可決に中心人物として奔走、憲法改正を実現させる。南北戦争終結後は下院選挙に敗れ、モナタナ準州の知事となった。


ジョージ・ペンドルトン(George Hunt Pendleton, 1825-1889)
演:ピーター・マクロビー

 紳士のジョージ(Gentleman George)、民主党下院議員。
 オハイオ州出身。父親のナサニエルも下院議員を務めた名門。長じてドイツのハイデルベルク大学に留学して法学を収めた一級のインテリだった。1857年に民主党から出馬して下院議員初当選。ペンドルトンは同じく民主党に所属した7代大統領、アンドリュー・ジャクソンの提唱した「ジャクソニアン・デモクラシー(ジャクソン流民主主義)」の信奉者という意味で、民主党精神の体現者たろうとした人物だった。その柔らかな物腰や高い教養に触れた周囲の人々は、彼を「紳士のジョージ」と呼んだ。南北戦争開戦後は、その凄惨な戦況に心を痛め、一刻も早い南北の停戦を主張。1864年の大統領選では、リンカーンと馬が合わずに解任された元北軍指令、マクレラン将軍を大統領候補にかつぎ、自身を副大統領候補としてリンカーンと激突。敗れはしたが議会を代表するコッパーヘッズ(北部人でありながら南部を応援する反リンカーン派)として認知される。
 南北戦争後の下院議員選挙には落選するが、1879年にオハイオ州選出の上院議員として復帰。1883年、政治家の汚職やコネ人事の温床として非常に評判の悪いものにっていた、公務員の猟官制度を改革する法案を議会に提出して可決させ、その法は「ペンドルトン法」として合衆国法制史に不朽の名を残している。


フェルナンド・ウッド(Fernando Wood, 1812-1881)
演:リー・ペイス

 タマニー・ホールの長、民主党下院議員。
 ペンシルバニア州に生まれるも、やがてニューヨーク市へ移って海運業者として成功し、ニューヨークを根城にする民主党の派閥「タマニー・ホール」の一員となる。同派閥の中で次第に頭角を現し、1854年、ニューヨーク市長に。ただしこのころ、タマニー・ホールといえば汚職、恫喝なんでもありの危険な政治集団と思われており、実際ウッドの市長選勝利は賄賂の賜物だった。ウッドの市政はニューヨーク市にさらなる腐敗と混乱をもたらし、1857年、同市内の共和党派は、ウッドの影響下にある市警察は事実上機能を停止しているとし、独自の警察組織を立ち上げると宣言。ウッドがこれを許すはずがなく、鎮圧のため警官隊を投入し大暴動となる。さすがにこの騒ぎでウッド市長は失脚し、ニューヨーク州選出の民主党下院議員として活躍の場を国政に移す。南北戦争勃発後のニューヨーク市は、北部に位置しながら親南部、反リンカーンに傾いていた。ニューヨークは南部で生産された綿花を欧州に輸出するための一大港湾基地で、内戦の勃発により南部との取り引きルートを閉ざされたニューヨークの商人たちは商売上がったりだったからだ。ウッドは下院において、このニューヨークの利益代弁者として縦横に活躍し、反共和党、反リンカーンの論陣を張る。終戦後は一時失職するものの、1881年の死去まで下院議員を続けた。


プレストン・ブレア(Francis Preston Blair, 1791-1876)
演:ハル・ホルブルック

 ワシントンの陰なる王、ジャーナリスト。
 南部バージニア州に生まれたブレアは、長じてジャーナリストとして名をなし、7代大統領アンドリュー・ジャクソンの政治顧問となることによって政界に隠然たる影響力を及ぼす男となった。ジャクソンは民主党員であったため、ブレアも人生の大半を民主党員として過ごしたが、米墨戦争の後に彼は民主党と決別する。メキシコに勝利し、南方方面に広大な新領土を獲得したことを見て南部の民主党員たちは、この土地に新たに奴隷制度を普及させていこうとした。しかしブレアは奴隷州に生まれ育ち、自身も奴隷を所有していながら、この制度は無秩序に拡大させていっていいものではないと信じていたのだ。ブレアは新たに結成された、奴隷制廃止を綱領の1つに掲げる党、共和党の支援者となった。しかし民主党へのコネクションも最大限に活用し、議員でもない身でありながら政界に無視できない力を発揮するフィクサーとなったのである。息子のモントゴメリーはリンカーン政権の郵政長官に、同じく息子のフランシス・ジュニアは北軍の将軍となった。南北戦争勃発直後には、リンカーンの特命によって、南部に投じようとしている後の南軍総司令官、ロバート・エドワード・リーの引き止め工作にも、失敗したとはいえ尽力。その邸宅だったワシントンの豪華な「ブレア・ハウス」は現在、大統領の賓客をもてなす迎賓館として使用されている。

(アメリカ南部連合国)


アレクサンダー・スティーブンス(Alexander Hamilton Stephens, 1812-1883)
演:ジャッキー・アール・ヘイリー

 ジョージアの小さく暗い星(The Little Pale Star from Georgia)、アメリカ南部連合国副大統領。
 ジョージア州の貧しい家庭に生まれながら、頭のよさでは誰にも負けなかった。弁護士の資格を取得してみるみる成功し、南北戦争前までには数千エーカーともいわれる広大な奴隷農園の主になっていた。南北戦争前にジョージア州選出の下院議員を務めていたが、彼は議場で出会ったリンカーンと、貧困の中から弁護士として成功した者同士、気の合う友となる。しかし2人の価値観はまったく違った。リンカーンは貧しい中からはい上がったからこそ、自由で平等な社会の実現を夢見た。スティーブンスは貧しい中からはい上がったゆえに、人間にははっきりとした能力の差、等級の差があると感じ、奴隷制を肯定した。南北戦争勃発後、彼は南部の奴隷制擁護派の中でも屈指の論客として南部連合の副大統領に推される。ただしスティーブンスの見た「南部政界の上流階級」たちは、親から受け継いだ財産の上にあぐらをかく無能者でしかなかった。スティーブンスとほかの南部の政治家たちとの間には争いが絶えず、彼は副大統領でありながらほとんど政治力を保持していなかった。南部敗戦後、一時北軍によって投獄。釈放後はジョージア州選出の上院議員や同州知事を務めた。

(軍人)


ユリシーズ・グラント(Ulysses Simpson Grant, 1822-1885)
演:ジャレッド・ハリス

 無条件降伏要求のグラント("Unconditional Surrender" Grant)、合衆国陸軍総司令官。
 オハイオ州に生まれ陸軍士官学校入学したが、そこで得たものは「自分は軍人に向いていない」という感想だけだった。卒業後、米墨戦争には従軍するが、その後は民間でさまざまな仕事を転々。しかしそのほとんどすべてで惨めな失敗を重ね、アルコール中毒の中年と化していた。祖国で起きた未曾有の内乱、南北戦争にはさすがに義侠心をかきたてられ北軍に志願。しかしここで、それまで隠れていた軍事的才能が一気に開花する。ほかの戦線では負け続きだった南北戦争前半期の北軍部隊の中で、グラント部隊は苦しみながらも地道な勝利を重ねていく。戦争初期における北軍苦戦の理由の1つは、高級軍人たちがリンカーンを「粗野な田舎者」と侮り、時にその命令をほとんど無視したりすることにあった。しかし謙虚で飾らない人柄だったグラントにそういうところはなかった。リンカーンによってグラントが合衆国陸軍総司令官に抜擢されるや、リンカーンの戦略構想と、その実行部隊としての軍という歯車はがっちりとかみ合い、北軍は大きく勝利に向かって前進していく。戦争終結後、リンカーン亡き共和党から「戦争の英雄」として祭り上げられ、大統領選挙に出馬させられる。大衆からの人気はすさまじく、簡単に当選して大統領を2期8年務めるが、グラントの政治センスはゼロであり、政界は混乱と腐敗を極める。「戦争の英雄」という呼び名はやがて「合衆国史上最低の大統領」に変わり、最後は詐欺にあって無一文で死去。ただし死の床で書き続けていた自伝が死後にベストセラーとなり、遺された家族は潤った。

(文責 事務局長 小川)

2013年4月24日水曜日

4/27に映画『リンカーン』鑑賞会を行います

 南北戦争150周年期間として、現在アメリカではたくさんの南北戦争映画がつくられていますが、このスピルバーグ監督の『リンカーン』こそはその本命であり中心といえる作品です。南北戦争終戦間際の、奴隷解放のための合衆国憲法改正の議会における攻防を中心に描いた作品で、決して「戦争映画」ではありませんが、それゆえに「人類史にとって南北戦争とはいったい何だったのか」を深く考えさせてくれるものです。主演、ダニエル・デイ=ルイスが獲得したアカデミー主演男優賞だけでなく、アカデミー美術賞も獲得した本作の「歴史再現度」は見事というほかないレベル。まさに南北戦争にわずかでも関心のある者ならば、見逃してはいけない映画です。
本会ではこの映画の鑑賞に会として出向き、その後に懇親会を開催するなどして、各自の南北戦争への理解をさらに深めてい きたいと考えています。
 日程は4月24日のよる、東京都新宿区の映画館で予定しています。会員、非会員問わず、ご関心のある方は事務局までご連絡ください。詳細は下記まで。

『リンカーン』(LINCOLN)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ダニエル・デイ=ルイス サリー・フィールド デヴィッド・ストラザー
2012年 アメリカ映画 150分
(あらすじ)
アメリカの内戦・南北戦争が4年目に突入した1865年、リンカーン大統領は奴隷制度を永遠に葬り去るため、合衆国憲法修正第13条の議会での可決を決意する。シーワード国務長官らと憲法修正に必要な票を獲得するための工作に乗り出す彼だったが…。

(上映会場)
東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 TOKYU MILANO ビル
新宿ミラノ2
http://www.tokyucinemas.net/index.php/theater_list/shinjyuku_top/
(本会での鑑賞時間)
4/27、18:00~ 鑑賞終了後、懇親会を予定
(費用)
1,800円 入場料として映画館に支払い
(本会での鑑賞参加申し込み)
本記事のコメントか、事務局へメール(uhh04659@nifty.com)でお知らせください。

2013年3月25日月曜日

3月31日に東京・上野で平成24年度納会を行います

 全日本南北戦争フォーラムでは3月31日、東京・上野で平成24年度納会を開催いたします。
 本納会は、日ごろの勉強会などとは違い、特に映像資料鑑賞や討論などを行う予定はございません。当日は会長以下、役員も全員参加の予定ですので、会食などを通じての純粋な親睦・懇親会として開催しようと思っております。
 会員各位はもちろん、南北戦争にご関心のある一般の方々も、お気軽にご参加いただき、南北戦争について懇談していただける 場にしたいと思っております。

《全日本南北戦争フォーラム平成24年度納会開催概要》
日時:2013年3月31日(日) 14時~
集合場所:東京都台東区・上野公園内、グラント将軍記念碑(上野動物園正門そば、小松宮親王銅像裏手)
内容:上野公園内で観桜の後、近場の飲食店で懇談を行おうと考えています
参加費用:利用飲食店での飲食代を頭割り負担
参加方法:当日、集合場所に直接お越しください。事前申し込みなどは不要です。

 以上、ご多忙の中とは思いますが、関係各位のご参加を心よりお待ちしております。
(上野公園・グラント将軍記念碑)
(事務局)

2013年3月7日木曜日

3/9に映画『ジャンゴ 繋がれざる者』鑑賞会を行います



 現在本邦にて、南北戦争直前のアメリカ南部と奴隷制の問題にスポットを当てた西部劇映画『ジャンゴ 繋がれざる者』が公開されています。南北戦争を語る 上で奴隷制は欠かすことのできないトピックであり、南北戦争150周年間のこの時期に、このような映画が制作されたのは意味のあることです。
 本会ではこの映画の鑑賞に会として出向き、その後に懇親会を開催するなどして、各自の南北戦争への理解をさらに深めてい きたいと考えています。
 日程は3月9日の午後、東京都新宿区の映画館で予定しています。会員、非会員問わず、ご関心のある方は事務局までご連絡ください。詳細は下記まで。

『ジャンゴ 繋がれざる者』(DJANGO UNCHAINED)
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス ジェイミー・フォックス レオナルド・ディカプリオ
2012年 アメリカ映画 165分
(あらすじ)
1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴは賞金稼ぎシュルツの手によって自由の身となる。やがて2人はコンビの賞金稼ぎとなり、数多くの無法者と決闘を重ねていく。そしてあるとき、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を探していたジャンゴは、遂に奴隷農園主キャンディのもとに妻がいることを突き止める。

 (上映会場)
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目15番15号
新宿ピカデリー
http://www.shinjukupiccadilly.com/index.html
(本会での鑑賞時間)
3/9、14:45~ 鑑賞終了後、懇親会を予定
(費用)
1,800円 入場料として映画館に支払い
(本会での鑑賞参加申し込み)
本記事のコメントか、事務局へメール(uhh04659@nifty.com)でお知らせください。